年金70歳から支給の時代がやってくる。年金70歳支給開始時代の足音
厚生労働省が、年金の受給開始時期を70歳まで遅らせた場合の年金水準の試算をまとめ、社会保障審議会年金部会で公表しました。
これによると、70歳からの年金支給を選択すると、65歳からの年金支給より10万円以上も増えることが見込まれるとのことです。
しかし、この公表から「年金70歳から支給時代」の足音が聞こえてきます。
目次
1 年金支給開始はいつから
現在の年金制度では、年金支給開始は原則65歳とし、60歳から70歳までの間で自由に選択できます。
1) 年金支給開始年齢の違いによる損得
60歳からの年金支給を選択した場合は、年金月額はおおよそ30%減額になります。
一方で70歳からの年金支給を選択した場合は、年金月額はおおよそ42%増額となります。
トータルでもらえる金額の損得としては、「65歳支給開始」を元にすると、
- 「60歳支給開始」だと72歳以上生きることができれば「65歳支給開始」を上回る。
- 「70歳支給開始」だと82歳以上生きることができれば「65歳支給開始」を上回る。
となります。
2) 70歳から年金をもらう人の割合は?
では、年金の支給開始を70歳にする人とは、どのぐらいの割合でいるのでしょうか。
厚生労働省が公表している資料によると、70歳年金支給開始を選択している人の割合は不明ですが、年金支給開始を66歳から70歳にした人の割合はわずか1.4%とのことです。
そのため、70歳年金支給開始を選択している人は、おそらく1%に満たないと思います。
2 年金支給開始年齢の推移
ここで、我が国の年金支給開始年齢の推移を見てみます。
1942年 55歳
1957年 56歳
1961年 57歳
1965年 58歳
1969年 59歳
1973年 60歳
1987年 61歳
1990年 62歳
1993年 63歳
1996年 64歳
1999年 65歳
なんと、年金制度開始当初は55歳で年金が支給されていたのですね。
なんだか、とても羨ましいです。
このように年金支給開始年齢は、時が経つにつれて引き上げられています。
3 年金70歳支給開始時代がやってくる
今回、厚生労働省が公表した、年金70歳開始での支給額の試算は、年金70歳支給開始の予兆ではないかと思います。
70歳での支給開始のメリットをアピールし、70歳支給開始を選択する人の数を増やし、いずれは年金支給開始を原則70歳にするのではないかと考えます。
政府はすでに70歳定年制を視野に入れており、年金支給開始もそれに追随し原則70歳になるのではないでしょうか。
4 今、我々ができること
このような政府の動きは、どんなに頑張っても喰い止めようがありません。
今、我々ができることは、雇われることなく、自分の力でお金を稼ぎ出すことです。
人生100年時代に向けても、お金を稼ぎ出すことがとても大切です。
5 まとめ
年金をあてにしてはいけないということは、もう自明です。
自分でお金を稼ぎ出してこの時代を生き抜くために、日々やるべきことをやるしかないですね。